ボールペン・ローラーボールで、乾燥の心配をしながら使うことはほとんどありません。しかし、筆記具にとって乾燥は重大な問題で乾燥してしまえば書けなくなるのです。ボールペンやローラーボールでは替芯(リフィル)の構造は乾燥防止の構造をしています。

チップではインクに直接接触接している部分は極めてわずかです。
リフィルの尻のほうには透明な粘性液が入れてあり、インクに直接接触しないようにしてあるものもあります。また、インク漏れ防止にもなっています。
ゲルインク、水性インクでは成分の主体は水ですから、厳重であるとおもいます。
油性インクは油ですから蒸発には水よりも強いと思います。詰め物があるときとないときを見かけます。
殆ど乾燥の心配をしなくていいということは、大きなメリットです。キャップが不要であるということです。チップがインクに触れる部分は僅少です。
万年筆では筆記中断時は必ずキャップを嵌めます。万年筆ではペン先の乾燥を防止を筆記者が注意しながら使います。
万年筆を見て見ます。
上はペン芯です。色々な形がありますが、見ただけでインクとの接触部分が広いのが分かります。
スリットが見えています。この部分にはインクがあります。乾燥してしまうとペンポイントにインクは届きません。
以上のことから、万年筆のペン先の構造は乾燥に弱いという弱点があります。
筆記中断の時は必ずキャップをして下さい。万年筆のインクは水性ですから乾燥しやすいことに加えて、上述のような問題点があるのです。
キャップをしたからといって完全密閉ということではありませんので、長らく使わないと乾燥して手入れをしないと書けない状態になります。
これを回避したいための構造を持つ万年筆も有ります。

キャップのなかに、半透明のキャップがあります。これが、筆記休止期間が永めになっても乾燥を防止してくれるスリップシール機構です。高級な万年筆ではかなり長い期間有効ですが、安価万年筆では1週ぐらいで乾燥することも経験したことがあります。
僅かな手入れをすれば直ぐに書けるのですから、気にしない人には問題ありませんが、面倒くさがりの人には問題になるでしょう。
使用中に筆記休止時にキャップをする必要があることは、変わりません。
この問題を僅かに減らしたのが、キャップレス万年筆です。現在、ノック式のキャプレス万年筆がパイロット万年筆から発売されています。スクリュー式のものはパイロット万年筆とラミーのダイアログのなかの1つにあります。この万年筆はワンノック、スクリューでペン先が引っ込みますので、キャップをもち、ペン先に蓋をしまわすという動作を省略できます。嵌合式の万年筆ではキャップを持ち押し込むのでキャップを回すことが省略されていて、万年筆を使う人のなかで嵌合式を好む人もいます。
いずれにしても、万年筆の機構が変わらないので本質的に乾燥の問題は改善しません。
蛇足ですが長期保存では洗浄してから保存してください。
デメリットがある万年筆ですが、書く感触がボールペン、ローラーボールと大きくことなって、その感触を楽しむことや、字幅が変わることを楽しむ。柔らかさを楽しむ。字の濃淡を楽しむなどの大きなメリットがあるので、万年筆愛好家が絶滅することはないようです。
ボールペン・ローラーボールを製造側でも、書き味のいいインクを作る。筆圧を下げても書く事ができる、字幅が変わるなど万年筆にの書き味などに追いつくように技術開発をしています。
インクでは低粘度油性インク(ソフトインク)、ゲルインク、エマルジョンインクなどでしょう。
以上 分かりきったことをノートにしました。